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リカ|五十嵐貴久 を読んで

五十嵐貴久「リカ」 読書感想文

あらすじ

平凡な会社員本間は出会い系サイトでリカと知り合う。
「雨宮リカ」と名乗る女性との出会いは、一見するとただの恋のきっかけのように見えるが、やがて彼女の異常な執着と狂気がじわじわと日常を侵食していく。逃げ場のない恐怖の中で、本間は追い詰められていく――。


感想

とにかく読みやすい。
気づいたらページがどんどん進んでいて、あっという間に読み終えてしまった。

そして、普通にめちゃくちゃ面白い。
展開が早くて無駄がなく、「次どうなる?」の連続で一気読みさせられるタイプの作品だと思う。

ただ、この作品の本当の怖さはラストにある。
文庫化にあたって追加されたという「エピローグ」、これがかなり強烈。読み終わったあとにゾワッとくるどころか、嫌な余韻がしっかり残る。

正直、リカみたいな女とは絶対に関わりたくない。
フィクションだと分かっていても、「こういう人、いそう…」と思わせてくるリアルさが怖い。

シリーズものということで、このまま2作目の『リターン』に進みたくなるのも納得の引きだった。


考察

この作品の怖さは、“人間そのもの”にある。

幽霊や怪異ではなく、生きている人間の執着や歪んだ愛情がここまで恐怖になるのかと実感させられる。
リカの行動は極端ではあるけれど、その根底にある「愛されたい」という欲求自体は、誰しもが少なからず持っているものだ。

だからこそ怖い。
完全な異物ではなく、どこか地続きに感じてしまうから、読者は逃げ場を失う。

そしてエピローグ。
あれによって、この物語は“終わらない恐怖”へと変質する。ただのサイコスリラーで終わらせず、読者の想像を一段深いところまで引きずり込む仕掛けになっている。

『リカ』は、軽快に読める一冊でありながら、読み終えたあとにしっかりと爪痕を残す作品だ。
気軽に手に取れるが、決して軽くは終わらない。そんな一冊だった。

ジャンル的にはサスペンスなんだろうけど、僕の中ではホラーに属す。

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