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リベンジ|五十嵐貴久 を読んで

五十嵐貴久「リベンジ」 読書感想文

あらすじ

リベンジは、長く続いてきたリカシリーズの流れを受け継ぎながら、“復讐”というテーマを前面に押し出した一作。
これまで数々の人間を破滅へ追い込んできたリカ。その存在に翻弄され、生き残った者たちの感情が交錯する中、物語は新たな局面へと進んでいく。
積み重ねられた因縁の先で、ついにある人物が立ち上がる――。


感想

ラストの萌香の登場シーン。
これは本当にカッコ良すぎた。

シリーズを読んできたからこそ、あの場面の熱さと爽快感はかなり刺さる。
ずっと不気味で救いの少ない展開が続いてきた中で、あの登場は思わずシビれた。

ただ一方で、12発もの弾丸を受けたリカが生きているという展開には、正直「さすがに無理があるんじゃ…」とも感じた。

でも、不思議と嫌ではない。
むしろ、そこまで来るとリカはもう“人間”というより“怪物”なんだと思えてくる。

現実的な存在ではなく、どこか都市伝説や呪いのような存在。
死んだはずなのにまた現れる、その異常な執念が、逆にリカというキャラクターをより強烈なものにしている。

シリーズを重ねるごとに、“怖い女”だったリカが、“消えない怪物”へと変化しているように感じた。


考察

『リベンジ』は、“リカの神話化”がさらに進んだ作品だと思う。

初期のシリーズでは、リカの恐怖はあくまで“現実にいそうな異常人物”として描かれていた。
しかし本作では、その枠を明らかに超えてきている。

特に象徴的なのが、“死なない”という描写。
本来なら人間として成立しないレベルのダメージを受けても存在し続けることで、リカは単なるサイコパスではなく、“概念的な恐怖”へと変化している。

つまりリカは、もはや個人名ではなく、“終わらない執着”そのものになっているのかもしれない。

また、そんな絶望的な存在に対して立ち向かう青木孝子の存在も重要だ。
シリーズ全体に漂っていた無力感の中で、彼女の行動は数少ない“反撃”として機能している。

だからこそ、ラストシーンにはカタルシスがある。
単なる爽快感ではなく、長く積み重ねられた恐怖への抵抗として、読者の感情を強く揺さぶってくる。

『リベンジ』は、リカシリーズを“人間の恐怖”から“怪物譚”へと押し上げた一冊だ。
そしてその怪物は、現実離れしているからこそ、読者の記憶に強烈な残像を残していく。

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