代償|伊岡瞬 を読んで

伊岡瞬 著「代償」 【読書感想文】

初めて井岡瞬を読む。
期待に胸が膨らむ。

▼あらすじ
幸せな家庭に育っていた小学生の圭輔。
遠縁の道子とその息子達也が家に来るようになってから何かがおかしくなる。
そして圭輔宅が火事で両親を失い、道子と達也親子に引き取られた圭輔は辛い少年時代をおくることとなる。
そして十数年が経ち、弁護士となった圭輔に殺人の容疑で捕まった達也から私選弁護人の依頼が来る。
達也が仕組んだ悪巧みに圭輔はまんまとはめられていく。

▼感想
初めて読んだ井岡瞬。
まず簡潔に感想を述べると「面白かった」
400ページを超える大作だけど一気に読める。

その中でも特筆すべき点は、作中に出てくる道子と息子の達也の存在。
とにかく胸糞キャラである。
よくもここまで気持ちが悪い極悪キャラを作れるなぁと思う。
読んでいて本当に気持ち悪くなるほど。

とても個人的なことだけど、僕は太った人が大嫌いである。
その理由はここに書かないけど、その僕の嫌いな「太った人」そのものな道子。
だから読んでいて、心の底からムカムカしてきた。
だから太った人って嫌いなんだ!と声に出しそうになるのを必死に抑えたほどだ(大袈裟だね)

名作には「魅力的な悪役」が欠かせないとはよくいうけど、まさに本作は悪役が立った作品だと思う。

ただ、人によっては苦手な作品だとも思う。
特に第一部の、圭輔が道子親子に引き取られてからの酷い生活は見るに堪えない。
でも現実でもこんな目に遭っている子供達はきっとたくさんいるんだろうなぁ、と思うと心が痛む。

最後はバタバタと伏線を回収をしていくんだけど、やはり僕はこの「最後に一気に伏線回収」ってのがあまり好きではない。
この点だけが僕の趣向とは合わなかったかな。

でも井岡瞬面白かったので、他の作品も読んでみようと思う。

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