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リボーン|五十嵐貴久 を読んで

五十嵐貴久「リボーン」 読書感想文

あらすじ

リボーンは、長く続いてきたリカシリーズの完結編。
これまで幾度となく人々を恐怖に陥れてきたリカという存在。その因縁に決着をつけるべく、それぞれの人物たちの思惑が交差していく。
終わらないかに思われた悪夢は、ついに“最後”を迎えようとしていた――。


感想

ついに完結。
ここまでシリーズを追い続けてきたので、読み終えた時にはかなり感慨深かった。

ラストも納得できる終わり方だったと思う。
無理に大どんでん返しへ走るわけでもなく、かといって曖昧に逃げるわけでもない。シリーズ全体を踏まえた上で、しっかり着地していた印象がある。

特に良かったのは、“変に次を期待させない”ところ。
最近は続編を匂わせる終わり方も多いけれど、『リボーン』はちゃんと完結作としての空気を持っている。

ただ、その一方で――
「もしかしたら、まだ…」と思わせる微妙な余白も残している。

このバランスが絶妙だった。
完全に終わったとも言い切れない。でも、だからといって露骨に続きを匂わせるわけでもない。その“余韻”の残し方がすごく上手い。

シリーズの締めくくりとして、とても綺麗な終わり方だったと思う。


考察

『リボーン』は、“終わらせ方”が非常に巧い作品だ。

長期シリーズの完結編というのは難しい。
すべてを明確に終わらせれば余韻が消え、逆に曖昧すぎると読者は消化不良になる。

その点、『リボーン』は絶妙な位置を選んでいる。

タイトルの“Reborn(再生・生まれ変わり)”という言葉も象徴的だ。
これは単にリカという存在だけを指しているのではなく、恐怖そのものの在り方を示しているようにも感じる。

シリーズを通して描かれてきたのは、“終わらない執着”だった。
そして本作では、その執着に一定の決着を与えながらも、「恐怖は完全には消えない」という感覚を最後に残している。

また、初期の『リカ』では“現実にいそうな怖い女”だった存在が、シリーズを重ねるごとに半ば怪物化し、都市伝説のような存在へ変わっていった。
『リボーン』は、その変化の終着点としても興味深い。

つまりこのシリーズは、一人の女性の物語であると同時に、“恐怖が増殖し、形を変えていく過程”を描いた作品でもあったのだと思う。

『リボーン』は、その長い悪夢に終止符を打ちながらも、最後に小さな影を残していく。
だからこそ、読み終えたあともリカという存在が頭から消えない。そんな完結編だった。

そしてリカシリーズ全9巻を完全読破。
刊行順ではなく年代順にさらに読み返しても面白いとは思うけど、とりあえず終了とする。
また折を見てまとめ記事でも書こうかな。


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