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リフレイン|五十嵐貴久 を読んで

五十嵐貴久「リフレイン」 読書感想文

あらすじ

リフレインは、これまでのリカシリーズの流れを引き継ぎながら、ある人物と出来事を軸に物語が展開していく一作。
過去と現在が交差し、断片的だった要素が少しずつ繋がっていく中で、“リカ”という存在の影は形を変えながら浮かび上がってくる。
繰り返される出来事の先にあるものとは何なのか――物語は静かに、しかし確実に核心へと近づいていく。


感想

正直、「リフレイン」というタイトルの意味が最初はよく分からなかった。
でも、著者のあとがきを読んで納得。ああ、そういうことかと腑に落ちた。

今回印象的だったのは、作品の外にまで広がる仕掛け。
読者のために用意された楽曲の存在が面白い。

実際に、Pola Negriの「MAZRKA」を聴いてみたんだけど、これがリカのイメージに妙にハマる。
不穏でどこか歪んだ空気感があって、聴いているだけでじわじわ怖くなってくる。

物語と音楽がリンクすることで、頭の中のイメージが一気に具体的になる。
その分、恐怖もリアルに感じられるのがこの作品の面白いところだと思う。


考察

『リフレイン』は、“繰り返し”というテーマを多層的に扱った作品だ。

タイトルの意味が示す通り、出来事や感情、そしてリカという存在そのものが、形を変えながら繰り返されていく。
この“反復”の構造が、物語に独特の不気味さを与えている。

さらに興味深いのが、音楽という要素の導入。
特定の楽曲を通じて読者のイメージを誘導することで、作品の世界観をより強固にしている。これは単なる小説の枠を超えた演出であり、読者に“体験させる”意識が強く感じられる。

また、繰り返されるということは、終わらないということでもある。
このシリーズに一貫して流れている“終わりのなさ”が、ここでも強調されている。

『リフレイン』は、物語・テーマ・演出のすべてにおいて“反復”を体現した一冊だ。
そしてその繰り返しの中にこそ、リカという存在の本質的な恐怖があるのかもしれない。

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