すっかりホラー小説にハマってしまった。
しかしホラー小説から離れてだいぶ時間が経っているので、雑誌「このホラーがすごい! 2025年版」を購入し、再度現代のホラー文学を勉強し直した。
まぁ読みたい作品ばかりが紹介されていて、どの作品から読めば良いのやら。
と、思っていたらビンゴの作品を発見!
最近は観る本数もめっきり減ってしまったが、僕は映画も好きで、アプリに見た映画の記録を残している。
そして自分なりの評価点をつけているんだけど、そのベスト5に入っている1本のホラー映画がある。
映画「告白」の中島哲也監督作品「来る」だ。
斬新な展開と迫り来る恐怖描写がとても印象強く、僕の中では衝撃のホラー映画だった。
で、この映画「来る」の原作「ぼぎわんが、来る」が「このホラーがすごい!2025年版」で紹介されていた。
2015年に刊行されたので、もう10年前の作品である。
当時日本ホラー小説大賞を受賞し、衝撃のデビュー作だったらしい。
僕がホラー小説から離れていた間にこんな大作が生まれていたなんて!
あぁ時代を共にしたかったぁ。
リアルタイムで読みたかったぁ!
と後悔しても仕方ないので、10年越しに本作を読むことにする。
そして読み終わったら映画も観直してみようと思う。
田原秀樹は妻・香奈と娘・知紗と平穏な生活を送っていたが、ある日「ぼぎわん」という謎の怪異に狙われ始める。霊能者たちの力を借りて対抗するが、ぼぎわんの正体と目的が明らかになるにつれ、家族の絆や人間関係が試される。恐怖と愛情が交錯するホラー小説。
素晴らしいね!
本当に素晴らしい!
映画「来る」を観た時の衝撃がまた僕を襲いました。
映画を観たのは随分前なので細かい箇所は覚えていなかったけど、「あぁこんな話だったな」と思い出しながら読み進めた。
映画同様、本作は3部構成になっていて、それぞれで視点が変わる。
この人の視点ではこう見えていたことが、この人の視点ではこうだったとわかるのも面白いけど、細かい設定と仕掛けが実に巧妙で、恐怖だけではなく作者のうまさが光る作品だった。
もちろんホラー作品なので、全編通して渦巻く気味悪さとジワジワ迫り来る恐怖はかなりのもんだ。
正体不明な敵「ぼぎわん」が実に怖い。
だって学習能力があって、迫り方がどんどん進化するんだもん。
一番の見どころは第一部のエンディング。
進化したぼぎわんと琴子の電話越しの会話がヒリヒリヒヤヒヤ。
もう発狂したくなるほどの緊迫感と恐怖の渦。
なかなか読書時に手に汗握る瞬間ってないよね。
しかし。
これがまさかデビュー作ってのが信じられない。
しかも長編作品初挑戦だっていうから末恐ろしい。
さらに本作にも出てくる比嘉姉妹のシリーズが出ているらしく、それらの本も読んでみたいな。
あぁ面白かった!
ブラボーでした!
ということで引き続き映画「来る」を観直す。