すっかり伊岡瞬にハマってしまった😆
小学校の臨時音楽教師の森島。
教師になりたくてなった訳ではなく、たまたまアルバイトとして勤め始めただけ。
小学校で起こる様々な問題に、臨時音楽教師として向き合う。
例えば僕が好きな薬丸岳、佐藤究は一貫した独自のテーマやカラーがある。
強烈な作風は、決して他の人には真似のできない代物だ。
対して、この伊岡瞬という作家は読む作品ごとにカラーが違うような気がする。
作品のテーマや、伝わってくるものが全然違う。
だけど、なぜか読んでいて感じるのは「伊岡瞬だなぁ」という感覚。
不思議です。
本作は一応ミステリーの類にはなるんだろうけど、誰も死ななければ刑事も出てこない。
残虐なシーンもないし、読んでいて心が沈むような陰鬱な描写もない。
小学校内で起こる様々な小さな問題と主人公の森島が向き合っていくお話。
つまり全体的に平和だ😆
いや、平和すぎる。
若くて教育に大した情熱も持っていない森島が、独自の正義感と教育倫理観で紛争する姿は一見爽やかで軽快。
だけど実際の現場では鬱陶しい存在になるんだろうなぁと想像するのは容易い。
なんだか全て爽やかにことが進んで行く流れに、納得がいかないまま読了。
しかも最後は恋愛小説のようになってしまいちょっと肩透かし。
だけど、伊岡瞬の作品は読んでいて読者を引きつける何かがある。
あとがきに書いてあった「細部がよく、人物造形がよく、筋運びも秀逸」という表現が伊岡瞬の全てなんだと思う。
作品に文句は言いつつ、伊岡瞬を読み続けてる僕は、結局伊岡瞬の作品が好きなんだろうなぁ〜
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