あらすじ
リメンバーは、これまでのリカシリーズとは少し距離を取った形で始まる物語。
一見すると“リカ”とは無関係にも思える人物や出来事が描かれていくが、物語が進むにつれて違和感が積み重なり、やがてそれらが一本の線として繋がっていく。
その先に待っているのは、シリーズを読んできた者ほど驚かされる“ある真実”だった――。
感想
読んでいる最中、ふと思った。
これって『SAW』みたいに、リカの“後継者”的な存在が出てくる話なのかな、と。
SAWでジグソウの意思を継ぐ人物が現れるように、この作品でも同じ構図になるのかと予想していた。
でも、全然違った。
というか、「まさかそこに繋がるのか」と素直に驚かされた。
このシリーズ、本当に毎回ちゃんと工夫してくる。
同じ“リカ”という軸を使いながら、視点や構造を変えてくるから、読んでいて全然飽きない。
展開に慣れてきたと思ったところで裏切られる感じが心地いい。
シリーズものなのに惰性が一切なく、むしろ読むほどに面白くなっていくのがすごいところだと思う。
考察
『リメンバー』は、“シリーズの繋がり”そのものを武器にした作品だ。
これまで積み重ねてきた物語や情報があるからこそ成立する構造になっていて、単体でも読めなくはないが、シリーズを追っている読者ほど強い衝撃を受ける仕掛けになっている。
特に印象的なのは、“ミスリード”。
読者にある程度の予測をさせておいて、それを別の形で裏切る。このバランスが絶妙で、「読めた」と思った瞬間に足元をすくわれる。
また、本作では“リカそのもの”というよりも、“リカがもたらした影響”の広がりが感じられる。
直接的な恐怖から、より構造的・連鎖的な恐怖へとシフトしている印象だ。
つまりこのシリーズは、単なる一人の狂気の物語ではなく、“影響し続ける存在”の物語になってきている。
『リメンバー』は、そのことを強く印象づける一冊だ。
そして同時に、「まだ終わらない」と思わせる不穏さもしっかり残していく。

