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閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書|知念実希人 を読んで

知念実希人「閲覧厳禁」 読書感想文

前作「スワイプ厳禁」を読んで、その続編という本作を読んでみる。
続編というか、こちらの方が本編なんだろうな。
前作「スワイプ厳禁」で登場する八重樫がどうやら猟奇殺人を犯し、その精神鑑定報告書らしい。
「スワイプ厳禁」では、少しいい加減な印象のあった八重樫が、どのように猟奇殺人犯となっていったのかとても興味が湧く。
装丁は機密文書が入っているような紐付き封筒を模していて、如何にも報告書という感じである。
期待が増す。

あらすじ
八重樫が斧を振り回して11名が惨殺された。
即逮捕された八重樫は意味不明のことを叫んでおり、すぐに精神鑑定へ。
精神鑑定医の上原香澄が八重樫と面接を行い、鑑定を進めている最中で八重樫は自殺。
上原は真実を暴くために八重樫のことを調べ始めるが、そこには「ドウメキ」の存在があった。
「ドウメキ」とはなんなのか?
八重樫はなぜ猟奇的殺人を犯すことになったのか?
本作はその鑑定報告書である。

感想
モキュメンタリーという事前情報だったが、やはり「スワイプ厳禁」同様モキュメンタリー感はほぼない。
全然ない。

前半から後半が始まるくらいまでは完全にホラー。
「ドウメキ」が棲む街に足を踏み入れた人物が、「ドウメキ」に呪われて気が狂っていく様が綴られている。
街の異様な雰囲気や、文章から漂うおどろおどろしい匂いや、ヒタヒタと近づいてくる正体の見えない「ドウメキ」に肝が冷える。
ただし、ソフトなホラーなのでホラー耐性の低い方でもすんなり読めると思うし、報告書というだけあって様々な写真やメディア記事、インタビュー、音声ファイルなどが掲載されていて、見ていて飽きない工夫がされている。

後半に入るとホラー感すらなくなりミステリー節が強くなる。
つまり謎解きだ。
「ドウメキ」とは何なのか?
呪いとはなんのか?
廃街で行われていた恐ろしい実験とは何だったのか?
あれだけ怖がらせた「ドウメキ」の正体と真相が少しづつ見えてくる。
まぁある程度想像範囲内の結論。

ところが、だ。
最後の数ページで急激に読者を巻き込んだモキュメンタリー感が一気に膨らむ。
本作を最後まで読んだことを後悔させるような内容で終わる。
読者参加型モキュメンタリーの完成である。

冒頭にも途中で読むのをやめても良いと警告がされているほど読み終わることを推奨していない作品だ。

読み終わるには覚悟が必要。

帯にも書いてある。
「読んではいけない」と。

この本だけ読んでも面白いが、ぜひスワイプ厳禁を読んでから本作を読むことをお勧めする。
あ、読んではいけないんだった。

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