本屋をぷらぷらしていたらふと目に留まった「でっちあげ」。
福岡で起こった事件で、全国で初めて「教師による児童へのいじめ」が認定された事件について書かれた本である。
数ヶ月前に映画は観たものの原作は読んでいなかったので読んでみようかと手にした。
しかしフィクションではないので映画と内容が変わったりすることもないと思うとちょっと読む気が失せる。
ふと横を見ると同じ作者で「モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い」とある。
なるほど。
「でっちあげ」に似た他の事件についての本なのだなと察しがつく。
ということで購入。
〈息子を自殺で失った母〉、しかしその実態は「恐るべき怪物」だった。たった一人の母親が学校を崩壊させた。
不登校の高一男子が自殺した。久々の登校を目前に──
かねてから学校の責任を追及していた母親は、学校に全責任があると
校長を殺人罪で刑事告訴する。
人権派弁護士、県会議員、マスコミも加勢しての執拗な追及に、
高校は崩壊寸前まで追い込まれ、教師と同級生、保護者たちも
精神的に追い詰められていく。
だが教師たちは真実を求め、法廷での対決を決意した。
前代未聞の裁判で明らかになっていったのは、子供を死に追い込んだ
母親の「狂気」だった。
どの教育現場にも起こり得る「恐るべき現実」を描ききった
戦慄のノンストップホラーノンフィクション。
「被害者」の皮を被った「加害者」に気をつけろ!
予想通り「でっちあげ」によく似た話である。
高校生の男の子が自宅で自殺。
母親は学校でいじめがあったと担任や部活、学校、いじめた先輩に責任を追及し告訴。
マスコミがかぎつけ学校側に責任がるとして大々的に報道。
世間は報道に踊らされ学校や各個人に誹謗中傷や嫌がらせ。
限界に達した学校や各個人は反撃に。
結局、裁判では母親が負ける。
裁判では勝ったものの、その結果は報道されず、学校や各個人は世間に色目で見られる。
という流れだ。
学校=権力=悪の構造は実に大衆の心を掴む格好の構図である。
そのイメージと報道が組み合わされば、いとも簡単に大衆の心を動かすことができる。
そんな恐ろしいお話。
結局、訴えた母親がいわゆる毒親であり、自殺の原因は母親にあるのではないか?と思わせる内容だ。
もしかしたら母親が自殺に見立てて殺したのではないかとも疑ってしまうほどの毒親っぷりだ。
モンスターペアレンツという言葉があるが、まさにそんな親である。
常識を逸した母親の攻撃が、多くの人の人生を狂わせた。
裁判で負けた母親。
そして母親に加勢した弁護士。
さらに報道で加勢したルポライター。
この3人は到底許せるものではない。
しかし、3人とも未だに謝罪をしていないというのはどういうことなのだろうか?
読了後、ムシャクシャと心が騒ぐ一冊でした。


