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神の子|薬丸岳 を読んで

薬丸岳 著「神の子」 読書感想文

久しぶりに薬丸岳を読む。
しかも上下巻通して1,000ページ超えの長編小説。
ガッツリ薬丸岳に浸れると思うと読む前からワクワクだ。

あらすじ
天才的頭脳と、絶望的な孤独。
授けられたのは、それだけだった。
殺人事件の容疑者として逮捕された少年には戸籍がなく、一方で、知能検査ではIQ161以上を記録した──。
孤独な天才児と彼にかかわる人々とのドラマ、背後にうごめく呪われた陰謀。

感想
いや〜やっぱ薬丸岳にハズレなし。

なんと言っても読みやすいんだよね。
難しい言葉や複雑な表現はなく、とても分かりやすくて非常に読みやすい。
それでいて何か心に重く響いてならない。
読み進めるたびにグイグイとその世界に引き込まれ、続きが読みたくて仕方なくなる。
これが薬丸岳なんだよね〜

で、本作にミステリー要素はない。
有罪」と「Aではない君と」の間に執筆された作品ということで、この頃はミステリーからの脱却を目指していたのだろうか?
僕はミステリー小説よりも本作のような小説の方が好きだ。

主人公の町田少年は母親の怠慢から戸籍を持たぬまま育った。
そして物凄いIQを持って生まれた。
どこか冷たい町田少年とは、犯罪組織や一般家庭で育った人々や、経営者など多くの人が彼と接する。
物語の主観は常に町田少年の周りにいる誰かで、町田少年の心の中を読み解くことは難しい。
全てその主観人物から見た町田少年である。
そして最後の章だけ町田少年主観の物語になるあたりがニクイ演出だ。

いつも読後は重すぎて心を平静に保つことが難しい薬丸岳文学だけど、本作は珍しく微笑ましいエンディングについ笑みを浮かべてしまった。

それから1点気になって仕方がないこと。
僕が好きな小説登場人物ナンバーワンは中村文則の「掏摸」「王国」に登場する悪のカリスマ木崎だ。
彼は天才級の頭脳を持ち、闇の世界を牛耳る悪魂だ。
その思想はとても危険でスリリング。
人を惹きつける魅力に長けた登場人物だ。
初めて読んだ時、一気に心を掴まれた。

で、本作「神の子」を読んでいると似たような設定の人物が出てくる。
室井という人物だ。
前述の木崎に似ているなぁと読みながらずっと思っていて、思想も似ているし、立ち位置も似ている。
闇の世界を牛耳っている室井。
木崎に似ている。。。。。。。

読み進めていると、最後のあたりで室井という名は偽名で本名が明かされる。
木崎一郎!

もしかして中村文則作品に出てくる木崎と同一人物なのだろうか??????
そんなことがあるはずはないと思いつつも、妙な妄想をして少しワクワクドキドキしてしまう。
あぁ面白かった。

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