まずタイトルにインパクトあり。
数年前に世を蔓延った「上流国民」の対義語になるのだろうか?
気になる。
そして著者の赤松利市氏はホームレス作家という肩書きらしい。
なるほど〜
とことん下級国民の現実を語ってくれるんだろうなぁと期待。
住所不定、無職。マンガ喫茶で書き上げた作品が大藪春彦新人賞を受賞し、衝撃のデビューを果たした鬼才による初の随筆。東京で住所不定に陥るまでの被災地での経験を書く。美しい国? 日本が? ―― この話、すべて真実。
石巻で、南相馬で福島で。
土木作業員の、除染作業員の、無数の「A」の、憎悪が渦巻く。
まず、事前情報がないまま読み始めたんだけど、この作品は小説ではなくエッセイのようだ。
著者の経験がつらつらと書かれている。
福島県の「狂乱の復興バブル」に踊らされた著者。
除染作業員を経て貧困を経験し、のちにホームレスとなるまでの体験談。
読んでいて正直自業自得だろと思う部分が多々あり、著者の思考や判断能力を疑う。
しかしこのような貧困生活を経験し、文章にしてくれた点についてはありがたいと思う。
世に言われた復興バブルがどのようなものだったのか、あまり肌に感じることがなかった僕なので、その当時の流れを知るということに関しては感謝する。
様々な人たちが様々な思いを胸に現地へ辿り着き、そして復興支援という原資が食い潰された。
まさに復興バブル。
当時に知っていたこの言葉の意味はあまり理解していなかったけど、本作で嫌というほど知ることができた。
自分たちの血税がこのように使われ、お金に貪欲な人たちの懐に入っていったことを考えると、個人だけではなく政府の責任も感じてしまう。
それから貧困生活のリアルを知ることもできた。
読んでいて痛々しい。
それと同時に自分もいつかこうなる可能性があると思うと怖くて仕方がない。
作品中でも語られているが、現日本では多くの人々が「下級国民」であるという現実。
かつて中級が世間の一般的であったが、現在では下級が大半を占めるという現実。
そして歳を取れば年をとるほど下級に属しやすくなるという現実。
とんでもない厳しい現実を突きつけられた気がしてならない。
リアルを直視しなくちゃいけない。
そういう意味では面白い作品でした。
このような地獄を体験した著者の作品を他にも読んでみたいと思った。

