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R帝国|中村文則 を読んで

中村文則 著「R帝国」 【読書感想文】

この意味深なタイトル。
R帝国だと。
どんな内容なんだろ?
とりあえず中村文則をもっと読みたくて購入。

中村文則は「教団X」が面白かったんだけど、その後友人に薦められて読んだ「掏摸」と「王国」がメチャンコ面白くて、ドツボでした。
中村文則を「おかわり」したくなったので本作を読む。

あらすじ
国家を支配する”党”と、謎の組織「L」が存在するR帝国。戦争が始まり、やがて世界は思わぬ方向へと暴走していく―。

感想
上記あらすじはネット上に転がってる本作の概要分を拝借してるんだけど、実につまらん。
確かに要約するとこんな感じなんだけど、そんなつまらない話じゃない。

中村文則という人は、ある世界を根深く把握したうえで、一般人とは違うレイヤー上から物事が見えてる人で、「掏摸」や「王国」では犯罪の世界をかなり上空から俯瞰した物語だった。

本作は「国家」や「戦争」の世界を、僕らでは想像もできない視点で物語を綴っている。

なぜ戦争が始まるのか?
戦争の目的は?
そして人々の幸せとは?
そんなことを僕らに知らしめてくれる。

戦争を通して人々の感情がどう動くのか、そしてその感情をコントロールしている人々がいたとしたら。
もうねホラーではないけどホラーと言ってもいいほどの怖さがある。

そして不思議なことに、作品を読み進めているとその絶対悪を容認している自分に気づく。
絶対悪というか必要悪だな、と。

「掏摸」も「王国」もそんな感じだったなー。

いやー中村文則は面白い!
また時間があれば読み直したいくらいの作品だったし、他の作品ももっと読んでみよう。

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