あれ?
乃南アサは何冊か読んだと思うんだけど、この感想文を書くようになってからまだ読んでなかったなぁ。
しかも以前読んだ本がどれだったかも記憶が曖昧。
たぶん「凍える刃」は読んだ記憶がある。
ということで乃南アサを読む。
嫁ぎ先は大家族。一見温かく理想的な家庭の裏に潜む奇妙な闇に主人公が気付いた時、呪われた血の絆で結ばれた家の真実が暴かれる
いやぁ〜気持ち悪い。
グロいとか殺戮シーンがエグいとかではない。
この気持ち悪さは文章でしか表現できないと思うし、実際殺戮シーンとかは全くない。
だけど、とにかく気持ち悪い。
何が気持ち悪いか…人と家族とその結束。
「あとがき」でうまくまとめられている。
「家族」とは「宗教」であると。
確かにそう思う。
今時見かけない3世代が同居する大家族に嫁入りした法子。
家族は皆優しく、笑顔が絶えない仲良し大家族。
その中に嫁入りしてきた法子はよその家族で育ってきた者。
つまり大家族の中では異宗教者でしかない。
少しづつ気づき始める大家族への違和感がどんどん確信に変わっていき、もう絶えられなくなると大家族からの教育が始まる。
つまり宗教でいう教義や洗脳がはじまるのだ。
この過程がとても気持ち悪い。
主人公の典子とともに精神をかなり揺さぶられる。
そして最後あたり。
究極の気持ち悪さ。
もうこの家族にはついていけない。
ただこの気持ち悪さは嫌いじゃない。
今後は、もう少し乃南アサも読んでみようかな。
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