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ガーディアン|薬丸岳 を読んで

薬丸岳 著「ガーディアン」 【読書感想文】

僕は薬丸岳が好きである。
容赦ない内容にいつも心を引き裂かれる。
暗くて重い話が好きな僕は、だから薬丸岳が大好きだ。

今まで彼の作品を数冊読んできたけど、ほぼハズレがない。
だけど、愛するが故に、たまには違う薬丸岳も読んでみたいと願う僕もいる。

そこで本作です。

本作のタイトルは「ガーディアン」
いつもならタイトルだけで暗くて重そうだと期待が膨らむ。
しかし本作は英語だから話の内容に想像が追いつかない。

調べてみるとガーディアン=guardianと記すようだ。
保護者、守護者、後見人、監視者、という意味らしい。
さて、どんな薬丸岳が読めるのだろうか?

あらすじ
秩序が保たれた中学校。
1年前までは荒れに荒れていた中学校。
新人教師の秋葉はあることをきっかけに、その平和な学校生活に違和感を感じ始める。
実は生徒運営の自警団「ガーディアン」が学校を牛耳っていた。
先生たちにも知らされない秘密の自警団ガーディアンは、独自のルールで問題のある生徒に制裁を加え、学校の秩序を守っている。
先生の役割とは?学校の存在価値とは?

感想
これは薬丸岳作品なのか?
いつもと全然違うぞ!
ってのがまずの感想。

まずは平穏な中学校の日常が綴られ、秋葉先生が少しづつ違和感を感じ始め、先生間、生徒間、学校全体のいびつな綻びが徐々に現れ始め、ガーディアンの存在が明らかになり、そこからは少しミステリー感が強くなり、ガーディアンが生まれた背景や生みの親が誰なのかを探っていく話になる。
結構早い段階でガーディアンの創設者が誰なのか読者には分かるようになっていて、そして最後は先生の存在価値とは?となり、正義とは何なのかを問う作品だ。

薬丸岳らしく心を切り刻むお話では無いけど、話の持っていき方や流れは実に巧妙で、読み手を全く飽きさせないのは流石としか言う他ない。
そしていつもの「罪の重さ」「赦し」みたいな話にもなるのは流石だね。

結論として面白かったが薬丸岳作品としては少し物足りなさが残る作品だった。

そして読みながら苦労した点が1点。
学校内の話なので登場人物が多くて困った。
職員室にいる先生方。
何年何組の生徒誰々。
その親や兄弟。

とにかく誰が誰だか分からなくなった。
しっかり名前と性格などをメモリながら読めばよかったなぁと後悔。
途中、この先生は男性だっけ?とかその辺まで分からなくなって前ページに戻るということが多々あった。
これも読者を混乱させる方法なんだろうか?

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