QJKJQで度肝を抜かれたので佐藤究の2作品めを読む。
吉川英治文学新人賞と大藪春彦賞ダブル受賞の作品らしい。
あらすじ
京都で突然暴動が起きる。
しかもアチコチで。
「キョートライオット(京都暴動)」と呼ばれるこの暴動は如何にして発動したのか?
原因はなんなのか?
感想
まず一言で言うと「スゲー」である。
マジでヤバイ作品!
解説を執筆した今野敏氏は、本作品の読後に小説家を辞めようかと考えたとのこと。
それくらい凄い。
どんな着想や発想でこんな作品が書けるんだろう?
この佐藤究という人の頭の中を覗いてみたいくらい。
上記の「あらすじ」だけでは全く想像できない話。
確かに「キョートライオット」は起きるんだけど、それまでの関連秘話、伏線、プロセス、終息までのプロット、全てにおいて隙がない。
前作「QJKJQ」とも共通しているのは、学問の世界が徹底的に描かれていること。
前作は「なぜ人は人を殺すのか?」を研究する機関があったお話。
今作は「類人猿と人類の進化から考察するその分岐点」を徹底的に研究している。
鏡に映る自分を「自分である」と認識すると同時に「自分では無い」と把握できる人類は、果たして進化の過程でその能力が進化した結果なのか?それともなにかの能力を失った結果なのか?
ヒトがヒトである理由は何なのか?
進化の過程でDNAに組み込まれて既に記憶から忘れられたものが発動するとき、ヒトはどうなるのか?
とにかく面白くて面白くて、グイグイと引き込まれる作品だ。
もちろん難しくて理解できない部分もある。
でも、なんとなく自分が頭良くなったような錯覚に陥る感覚があって、それはそれで気持ち良い。
とにかく、今まで読んだことの無いジャンルの「スゲー」作品でした。
引き続き佐藤究の「テスカトリポカ」を読む。
楽しみだ😆