13階段|高野和明 を読んで

高野和明 著「13階段」 【読書感想文】

最近ハマっている薬丸岳が、本作品を読んで筆をとったと知り読んでみた。
まず一言。
ブラボー!!!

あらすじ
犯行時の記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすため、弁護士に雇われた刑務官と元犯罪者の2人が調査を開始。

感想
緻密に計算され尽くした本作品は、細部に至るまで完璧な仕組みで構築されている。
読了後はう〜んと唸ったほど🤔

途中「マジか!」と意外な展開になったのも、まんまとやられた感があり、嬉しい驚きとなった。

そして、この作品の中で特に興味を覚えたのは刑務官のお話。
つまり死刑を行う立場のお話。

死刑執行の前日や当日にはミスが起きないようにリハーサルが行われる、という見知らぬ世界の話から、実際に死刑を執行した者が「人を殺した」と良心の呵責に、その後の人生に暗く陰鬱な影を落としてしまう話。

日本では私刑としての復讐が許されない。
その報復を国が代わりに死刑という形で執行する。
そして誰かが殺す役割を担うことになる。
それが刑務官。

読んでいる間、もう心が苦しくなったほどに辛い仕事だ。
その世界を読み物の中で伺い知れたのは特筆すべき事柄だと思う。

「法律は正しいのですか。本当に平等なのですか。地位のある人もない人も、頭のいい人も良くない人も、金のある人もない人も、悪い人間は犯した罪に見合うように、正しく裁かれているのですか。」
この言葉がとても重く、「死刑」についてはある種タブー視されている感があるが、真剣に一人一人が考えなくてはならない事柄なんだと思う。
さすが江戸川乱歩賞受賞作!でした。

次は同じく江戸川乱歩賞受賞作、佐藤究の「QJKJQ」を読むよ😊
その後は佐藤究の3作を続けて読むか、薬丸岳に戻るかは読み進めながら決める〜

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