引き続き染井為人の本を読んでみた。
どうやらこの作品は「悪い夏」「正義の申し子」に続いて3作品目みたい。
狙ったわけではないけど、偶然にも染井為人のデビュー作から順番に3作を読み進めているようで、そのことを知った時はちょっとニヤける自分がいました。
まず、あらすじ。
高齢者がブレーキとアクセルを踏み間違えたとしてコンビニに突っ込む事故が発生。
運悪く店内にいた店長が死亡。
どうやら加害男性は認知症を患っていたことから、責任能力もないかもと単なる事故として扱われていく。
そこへフリージャーナリストの主人公が取材に出向き、数人に話を聞くのだが小さな違和感が。
そして取材の結果とんでもない真相に辿り着く。
というお話。
本作は「悪い夏」「正義の申し子」と比べると若干様子が違う。
なんだか作家として凄く描き方が上手くなっているような気がする。
前の2作は若干強引な展開が歪めなかったし、どことなく漫画っぽい部分があったり、変なテンションの場があったりしたんだけど、本作はとてもクールで自然で落ち着いて読み進められた。
そしてグイグイと引っ張られながら作品の中に没入していく。
この作家さんは登場人物のキャラクターの描き分けがしっかりしているからホントに読みやすい。
そして伏線も実にわかりやすい。
この作家さんの「黒い糸」を次読んでみたいな。