基本的に薬丸岳の作品は暗い。
そして重い。
それは分かっているんだけど、この作品はタイトルからとっても暗い。
暗すぎるし重すぎる。
さて、どんなお話なんだろか?
▼あらすじ
大人の勝手な欲望の餌食となる子供が多すぎる。
子供への性犯罪が起こる度に、犯人と思われる前科者が惨殺される事件が起こる。
犯人は処刑執行人「サンソン」と名乗る男。
警察を忌み嫌う世論の後押しとなるサンソンの存在はどうなるのか?
▼感想
やはり薬丸岳の作品にハズレはない。
そして予想通り暗くて思い。
かつ、薬丸岳の作品にしてはミステリー要素が強いような気もするし、グロテスクな表現も多い。
特にサンソンの犯行描写は酷いもんだ。
映像がない分、文字で表現されると想像力が働き実に生々しく感じる。
そして主人公は刑事なんだけど、この刑事の葛藤がとにかく面白い。
サンソンは所謂世直し人のようなポジションとして世から喝采を浴びるような形。
そのサンソンを捕まえることは、また他の犯罪を産む機会にもなる。
刑事は自分が刑事であることを悔やんだり……。
特に最後はサイコーだ。
真相は本人と読者のみが知ることになる。
しかも読者にも決定的な何かがあるわけではない。
想像に任せる終わらせ方。
う〜ん、面白かった〜
さて次は映画も観た「友罪」を読む。
もちろん薬丸岳の作品だ😆