またしても染井為人の作品。
この本、マジで悪党に心の底から腹が立った。
それくらい感情移入できてイッキ読みできる作品だ!
東日本大震災で被災した島に現れた復興支援のプロを名乗る男。
住民は彼の言葉を信じ、混乱の中彼に全てを任すが、復興支援金の横領が発覚するというお話。
フィクションという事になっているが、実際におきた「NPO法人大雪りばぁねっと」による復興支援金横領事件が題材になっているのは明らか。
物語に出てくる男の風貌や言動、本館への隠し部屋増設や露天風呂建築など、まったく本事件と同じ内容だ。
だからニュース映像(YouTubeで閲覧可)で流れる悪党男の顔が鮮明に浮かびながら物語を読むことになる。
後半はさすがに脚色されていると思うが、どこまでが本当の話でどこからがノンフィクションなのかもう境目が分からなくなる。
最後は少しだけ希望が光る終わり方だけど、しかし胸糞である。
途中、読み進むのがイヤな気分になるほど。
だけど。
僕好みのとっても面白い作品でした。
しかし染井為人、凄いなぁ〜
次は彼の「正体」を読んでみたい。