友罪|薬丸岳 を読んで

薬丸岳 著「友罪」 【読書感想文】

すっかり薬丸岳作品にハマっています。
以前同映画を観たことがあり、追っての原作読了。

▼あらすじ
いろいろあって町工場で働くことになった益田。
同じ日に入社した鈴木は人付き合いが苦手で静かな男。
ある日を境に鈴木は益田と仲良くなり「親友」と呼ばれるまでに。
だけど、鈴木は10数年前に世間を震撼させた猟奇的殺人事件の、あの誰もが知っている犯人だった。
その事を知った益田と周りの同僚は。

▼感想
基本的には原作を読んでから映画を観たい派。
だけど今作は逆流となってしまった。
映画を観たのはもう数年前だけど、映画のテーマとかしっかり覚えていて、なんとも重い話だったという記憶が残っている。
やっぱ原作読んでから映画見たかったなぁってのが感想。

映画では登場人物の細かい考え方が伝わりにくい。
文章だとその点がとても分かりやすいからね。

ただ分からないのは犯人である鈴木の頭の中。
作品中はいろんな登場人物視点で文章が書かれているけど、鈴木視点の文章は全くない。
本作の主人公であるのに、主人公の鈴木の言動は客観的な事象しか書かれていない。
そこがまた面白い。

あらすじから想像できるように、これまた暗くて重い作品だ。
ミステリー要素は全くないストーリーなので、一文一語一句にしっかり向き合う作品だ。

さすが薬丸岳である。

もう一度映画を観ることにする。

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