ゾンビ大好きな僕としては、かな〜り気になる題名である。
「3.0」とはどういう事なんだ?
▼あらすじ
全世界で同時多発的にゾンビが出現!
ゾンビは人を襲い、噛まれた者はゾンビと化す。
街中はゾンビで溢れ…。
予防感染研究所に閉じ込められた研究員の挑戦が始まる。
▼感想
あらすじは、ちゃんとしたゾンビストーリーだ。
ゾンビが現れ、人がゾンビ化して、世界中がゾンビパニックに陥る。
ただこの物語の面白いところは、独自のゾンビ論が展開される点。
ストーリー内でも解かれているけど、呪いや魔術的な事でゾンビ化するのが「ゾンビ1.0」、ウィルスや細菌説が「ゾンビ2.0」と説明がある。
なるほど!
面白い!!
ってことは本作品の「3.0」はどういう事なんだ?
3.0の正体はここには記さないけど、実に面白い解釈だった。
たいていのゾンビストーリーでは、ゾンビが徘徊する世界で人類がどうやって生きていくのか?的な事に主題を置いた作品が多く、そのゾンビ化の原因に言及した作品は少ないように思う。
この作品では、その原因を研究者が探るというお話だ。
そして導き出された結論は実に信憑性が高く、今までのゾンビ小説や映画の細かな矛盾点を、全て解決できる結論がこの作品には描かれている。
例えば、噛まれてゾンビ化する人と、ゾンビに食べられて死んでしまう人の違い、とか。
走るゾンビとノロノロ歩くゾンビの違いとか。
集団で行動をするゾンビの習性とか。
犬や猫は襲わず人間だけを襲う理由とか。
とにかくゾンビに関する全ての疑問に説明がつく解釈は脱帽もんだ。
佐藤究の「Ank」もかなり面白かったが、よく考えたらアレはゾンビではなく、暴動のお話だった。
本作は「Ank」に匹敵するくらい面白く、純粋なゾンビストーリーでした。
ゾンビ好きにはオススメの一冊😊👍
ゾンビ映画の原点と言われるロメロ監督の「ゾンビ」を再度見てみようかな。
本作の知識を得たうえで見直すと違う見え方がしそうな気がする。