お梅は呪いたい|藤崎翔 を読んで

藤崎翔 著「お梅は呪いたい」 【読書感想文】

前回に続き普段読まないジャンルの本が読みたく、2冊連続モノの本作を読破。
いわゆる「笑えてちょっぴり泣ける」作品のようだ。

▼あらすじ
戦国時代に「呪いの人形」として恐れられた日本人形のお梅。
その力を抑え込むために木箱に封印されていたが500年の月日を経て現代に蘇る
「さぁ呪いまくってやる」と息巻くが、現代人には呪術が通用せず。
逆に幸せな結果を産んでしまい、感謝されたりする始末。
まさに「笑えてちょっぴり笑える」ハートフルなお話が数話、短編形式で構成されている。

▼感想
まず、食べ物や生活環境の違いで現代人は500年前の人間に比べ、かなり丈夫になっているとの事。
なのでお梅が発する瘴気(呪術気みたいなもの)も全く現代人には通用しないのだ。
その時点でもう面白い。

しめしめとほくそ笑いながら瘴気を発するけど、皆ピンピンしているのだ。

そして、ヒトの感情を読めるお梅は負の感情を増幅させることも出来るのだが、これがまた時代の違いのせいか間違った解釈で暴走してしまったりする。

なかなか可愛いお梅のお話。

時にドキリとする文章もあったりする。
今のオレたちってこうなんだよなぁと少し自我と重ね合わせて反省したり。

2作目の「お梅は次こそ呪いたい」では、なんとパワーアップするお梅だけど、これまた新しく得た力で失敗を繰りかえす。

とてもハートフルなお話。
もちろん涙脆い僕は「ちょい泣き」もした。

ただ僕はいつも読んでるような暗くて重い話の方がやっぱ好きだな。

本作は映画化しても面白いだろうとは思うけど、映画も見に行かないだろうなぁ。

心をえぐられるお話の方が僕は好きみたいだ。

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