僕は家族愛のお話に弱い。
すぐ涙してしまう。
この本を読むきっかけは涙を流したかったんだろうか?
あらすじ
3歳の琴美ちゃんが公園で忽然と姿を消した。
困惑、疲弊する家族。
そして22年の月日が経ち……。
感想
とても丁寧に書かれていると言うのがおおきな印象。
物語の本筋とはあまり関係ないと思われる日常の細かいことが、ツラツラと綴られている事が多く、だからと言って邪魔ではなく、各登場人物の思考や背景、人との関わり方や環境、愛に溢れた生活をしっかりと把握できる。
それ故に、それぞれの立場での事情を理解でき、やがて全てが明かされる時に「仕方なかったんだ。誰も悪くない」と大泣きできることを期待して読み進めることになる。
ところが読み終わると「いや、悪いのはコイツじゃん!なんて自分勝手な奴だ!」となり、それまでの丁寧な描写が全ておジャンになった気がしてならない。
期待が大きかっただけに全然泣けず残念だった。
最後の最後は、全ての人が丸く収まるのも合理的すぎるかなぁ。
ただ愛には溢れていた。
至るところに愛が溢れていて、愛に触れることのできた作品でした。
それから、琴美ちゃんの姿が消えた時の家族の混乱ぶりはとてもリアルで、物語とはいえ心の中がゾワゾワと狼狽えた。
実際子供の行方が分からなくなったと想像しただけで恐怖である。
もう我が子は成人してるので安心だけど、よく何事もなく育ってくれたなと安堵したよ🥹