小説8050|林真理子 を読んで

林真理子 著「小説8050」 【読書感想文】

この本を手に取るまで8050問題という言葉すら知らなかった。
ニュースで流れて耳にしてたかもしれないけど、ほとんど意識の中に入る言葉ではなかった。
全く自分とは関係ない言葉だった。

つまり「8050問題」とは、80代の親が50代の引きこもり子を年金で養っているという社会問題。
日本の現代社会の中ではかなり増えているみたい。
その多くは小中高時代に登校拒否に至った子が、そのまま50代になるまで家内で引きこもったまま育つらしい。

親は「ま、いつか学校に行きだすだろう」と考えたまま、結局数十年が経つのだ。

引きこもった子は狭い部屋の中でなんの苦労も知らず、イヤなことは何もやらず、他人と関わることも無く、衣食住を与えられたまま育つ。
そして家庭内暴力へと発展していく。

その過程をまざまざと見せつけてくれる本作。

後半は少し様子が変わってくるけど、実に興味深く読めました。

みんなが読んで、この社会問題に目を向けるきっかけとなる作品だと思う。

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